ライフオブデビットゲイル ・・・ 87点
盟友まーさんに進められて、何も知らずに(あらすじも教えてくれたが、忘れていた・・・(^^ゞ)レンタルビデオで借りました。え?題名も忘れていただろって?・・・ばれたか(^^ゞ
ハーバードを首席で卒業したデイビットゲイルはレイプと殺人で死刑判決を受け、六年の服役後テキサスでの死刑執行が決まります。そんな彼から、雑誌社に勤めるビッツィー(ケイトウィンスラント)の元に取材の仕事がやってきます。
刑の執行の4日前にして、ビッツィーはデイビットの人生の独白をインタビューすることになりました。果たして彼の人生に何が・・・。
「特捜チームレベル9」を見ていたら「ソードフィッシュ」が無性に見たくなり、レンタル屋へと赴いた私でしたが、気が付いたらこのビデオを手にとっていました。表紙にはケビンスペイシーが・・・。
「あぁ、なるほどね。まーさんっぽいかも・・・」
と思ったわけなんですが、内容はすんなり「なるほどね」とはいきませんでした。
題材になるのは死刑囚のデイビットゲイルの人生です。(そのままだな・・・)これでテキサスという場面設定にピーンときた方はかなりの時事問題通、というか常識レベルの高い方ですね。どうやらテキサスは世界一死刑を執行している州なんだそうです。なんと、デイビットゲイルはもともとは死刑反対の運動をしている活動家だったのです。
ということで、かなりの政治的なニュアンスが強い作品となっています。ここは非常に大事です。つまりは、ご家族向けでないということですね。扱われる犯罪もレイプに殺人ですし、高校生あたりからですかね???
しかし、単に「死刑とは?死刑は在るべきか否か」という簡単なものでは無いのが興味深いです。私は名前を知りませんでしたが監督は巨匠アランパーカーです。最初は「誰?」と思ったんですが、作品を聞くと納得。「ミシシッピーバーニング」「エビータ」。そして「エンゼルハート」が有名どころですかね?監督の意向により中立の立場から描かれるこの問題に、サスペンス的な要素を上手く混ぜ合わせていると思います。死刑ものって結構あるじゃないですか。私は題名忘れましたが、シャロンストーンのやつで色々なエピソード(最期の食事とか)に衝撃を受けた思い出があります。しかし、そのどれとも違う作品に仕上がっていると思います。正直、オープニングで結構幻滅したんですよ。「おぃ・・。回想モノかよ・・・。」と。私は回想物と実話物が苦手なんですよ。なぜかというと結果が予想できるというところがあるからですね。皆さんが映画に何を求めるかは解りませんが、やはり「どうなるんだろ♪わくわくどきどき♪」というのは私にとっては大切な要素です。それをはなから奪うというこの行為は、製作者の「エゴだよそれは!!」というような印象があるんですが、今回に関して言えば、まぁ納得ですかね。なぜかというと、このシナリオにおいてオープニングのカットがかなり効果的に使われているからです。これには正直驚きました。これ以外にもこの脚本の緻密さはかなりの出来といえましょう。セリフが押し付けがましくなく、淡々としていながら題材を深くえぐるものであり、そしてそこにさらにサスペンス的な恐さの部分も織り交ぜている様には正直驚愕しました。はい。かなりいいシナリオです。その手のものが好きな方にはおすすめです。
さらにはケビンスペイシーですからね、ただではすみません。皆さんが予想されるのはセブンかユージュアル・・・か。ハテまたL.A.コンフィデンシャルか。まぁ、なにかあるな、ぐらいには感じることでしょう。冬彦さん見たいなもんですね。(意味不明)。が今回はその演技力はどっちかというと正統派ですかね。落ちぶれ、投獄されるデイビット・・・。その様を見事に演じきっているといえましょう。もちろん主人公のケイトもステキですよ。
と、まぁ色々書けることはあるんですが、やっぱり最期に問題になるのは政治的なところ。死刑とは。この核です。これをどう捕らえるかで、映画の評価は変わるでしょう。「んなもん知るか。」という方は見る必要が無いでしょうし、極度に反対、賛成に片寄っている方も「なにいっちょるねん。」となるでしょうし。がやはり、何かを投げかけていることは確かなので、それについて考える良いきっかけになってくれるのではないでしょうか。
私としては、「その」志に感銘を受けたよ・・・余韻に浸りたいところをひっぱたかれた感じでしょうか。うーん。やられた。結構凄いよ。この作品。恐らく予想していたものは、「あります」ぜ(ニヤリ)
最期にやはり「死刑」。これに関して言えば・・・実感が無いというのが正直なところです。しかし、反対運動している人もどうも好きになれません。もし、もしですよ、娘がレイプされて殺されたとしてですね(ここで既に実感なし(^^ゞ)その犯人を許せるか・・・。牢屋に入れておくだけでいいのか・・・。彼(彼女かも)に死を、とは望まないか・・・。というところでしょう。反対反対、というのは楽なんですが、その被害者の気持ちを反対派の方は考えているのか、というのが疑問ではあります。そこらへんをもうちょい突っ込んで欲しかった気はしますね。まぁ、サスペンスなんで、そこまで入れ込んで見なくても良いのでしょうが・・・。
ということで、その手の話が好きな方。サスペンス好きな方。そして死刑に興味がある方。おすすめです。面子で判断して間違いないでしょう。ええ。「そういう」話です。政治的問題を野心的にでもリアルにでもなく、サスペンスとして昇華した。いいですよ、これは。