ボーリングフォーコロンバイン ・・・ 60点
この作品はドキュメントです。監督が自らカメラを、そしてインタビュアーをつとめ、アメリカとカナダでの取材をまとめたものです。ということで、ある意味映画とは一線を画した作品といえます。
コロンバイン・・・日本ではコロラド州の高校生銃乱射事件として皆様も記憶にあるのではないでしょうか。その後に起こった、アメリカ最年少の銃による殺人事件(犯人、被害者共に6歳)がきっかけとなり、監督はアメリカの銃のあり方に関して取材を進めていく・・・。ということで、感動や娯楽の要素はまるで無く、最初から最期まで考えさせる映画となります。ということで、あの事件に興味が無い人はまるで見る必要がありません。もちろん、自分の考えをもつに至らない、小学生は見ないほうがいいでしょう。カップルで見るのも中々気まずいかもしれませんね。見る人はかなり選ばれるべき映画です。
監督によるナレーションとインタビューに、上手く重ねられるカットの数々。その構成と編集にはかなり光るものがあります。きわどすぎす、やりすぎず、見ずらすぎず、そして印象にのこる。ここら辺がこの映画(?)のハイライトの一つでしょう。
そして何よりすばらしい点は「アメリカ国民は常に恐怖を植え付けられている」という監督の考えが、はっきりと打ち出されている点です。この考え方自身も説得力のあるすばらしい考えですし、その表現、裏付け、そして何より取材。この点が非常に優れています。自分は本などで「アメリカは常に仮想敵国を必要としている」という考えを聞いたことがありましたが、この考えと同じ線上にありながら、新たな切り口を持つこの監督の考えには納得し、共感しました。また、日本では一年で五十人に満たない人が銃撃で死んでいるということを考えると、一年で一万人以上が銃撃で命を落としているという、アメリカの銃社会を知る良い教材となるでしょう。銀行口座を開設すると銃をもらえる、市民が軍隊じみた訓練をしている、枕の下に弾の装てんされた銃をいれてねている、近所のスーパーで銃の弾が買える。アメリカの真実を知るのも我々日本人には必要なことかもしれません。
私は、この監督の考えに賛同します。恐怖感を植え付けられている国民。そしてその国民が容易に銃を手にすることができるのであれば、あの惨劇は起こりえるものだったのではないでしょうか。
タイトルのボーリングは、あのボーリングです。犯人の少年二人はボーリングのクラスを選択しており、事件の早朝もボーリングに興じていたそうです。
「では、何故だれもこの事件の原因はボーリングにあるとは主張しないのであろう。」
監督は言います。何故でしょう。
あなたもこの映画をみて、銃社会とその必要性を考えてみる必要があるかもしれません。そのきっかけをこの映画は与えてくれるでしょう。正確に言えば、私はこれは映画ではないと思います。しかし、その映像で考えを主張するという行動は他の映画にも見られる伝統的な手段であるといえるのではないでしょうか。
最期に、この映画はミニシアター(恵比寿ガーデンプレイス)での上映であるため非常に混雑します。ご覧になる際は前もって下調べと、かなりの心構えを持ってみてくださいね。マジ混みますよ!!!