13デイズ …80点

 某ギャップからDVDで借りた「新作でも一週間」のこの作品。これはいわゆるキューバ危機をモチーフにした作品です。
 正直私は実話物と回想物の映画が好きではありません。あまりハッピーエンドでないこと、結末が予想できるためいまいち盛り上がらないことなどがその理由です。
 しかしながらこの映画ではそのモチーフが強烈です。正直歴史の授業ではあまりやらない現代史の一部です。登場する人々の多くはホワイトハウスの中で働くエリートばかり。そんな中でも若い世代の大統領とその補佐官と司法長官がこの困難に立ち向かっていく。といったところでしょうか。
 結末は歴史的事実なのでまぁ、予想は出来ますがしかしその中身はものすごいです。実際ホワイトハウスでは何が行われていたのか。刻々と過ぎていく時間。事態は悪化するばかり。残された時間は限られた中で、いまだカーテンのむこうのソ連に対応しなくてはいけないのです。正直、はらはらしましたよ。ということで実話物ですがこれはお勧めでしょう。
 それにしても、良くぞそこまでといいたくなるほど事態は悪化します。特に悪者もなく、劇的なカタルシスもありませんが死の恐怖と戦うアメリカの中心部の人々のやり取りは「べた足インファイト」といえます。こうしてみると政治って大変で大切なものかもと思いますね。
 ジョン、ボビーは実の兄弟。そしてケビンコスナー演じるケンとは親友同士。その若い世代の三人がアメリカが今までに接したこののない事態打開を目指してがんばります。
 回りの幹部の方々もかっこいいです。国防長官のロバートはCIAで、作戦の現場でがんばります。テッドは大統領の演説の原稿を書く特別顧問。レメイ、テイラー両将軍の鬼気迫る様子も必見です。
 ミサイルは五分でアメリカに飛んできます。五分後死んでいるかもしれない。その後に待っているのは核戦争で滅んだ地球。果たして13日目の朝日はどのようにして昇ったのでしょうか。

 特にことがことだけに、冷静で落ち着いた映画に仕上がっています。スタッフロールのキャストの欄で一番初めに出てくるのは偵察機のパイロットでした。尊敬が満ちた画面作りは、派手な戦争ものや戦略映画を期待する方には的外れです。借りる前に一考を要する作品でしょう。もちろん、政治的なストーリー展開が続きますのでお子様向けではないでしょう。今、世界的危機状態にあるからこそ、これを見てちょっと冷静に考えるのも良い…かも。

 タバコを吸っているアメリカのエリートたち。朝一、新聞を買うために待っている市民たち。テレグラムで送られてくる海外の親書。時代を感じる作品でもあります。